**ユイ:** ねえ、ケン。「今までの狭い経験から将来を決めつけるのは傲慢」って言葉、すごく共感できるんだよね。例えば、小さい頃に「私は絵が下手だから、将来は絶対に美術系には進まない」って決めつけてしまうようなものだと思うんだ。まるで、生まれた時から小さな箱に閉じこもっていて、外の世界が広大だってことを知らないみたいじゃない?
**ケン:** うーん、ユイの言いたいことはわかるけど、ちょっと極端じゃないかな。確かに、子どもの頃の経験だけで全部決めるのは良くないかもしれない。でも、今まで積み重ねてきた経験って、やっぱり無視できないと思うんだよ。例えるなら、航海に例えるなら、過去の航海図や経験則は、安全な航路を選ぶための重要なツールだと思うんだ。過去の失敗や成功から学ぶことで、リスクを減らすことができるんじゃないかな?
**ユイ:** 確かに、経験から学ぶことは大切だよ。でも、航海図だって、常に最新の情報にアップデートしないと危険な場所も変わるでしょ?それと同じで、私たちの経験も、常に新しい情報や可能性によってアップデートしていくべきだと思うんだ。例えば、昔は「絵が下手」だったとしても、努力や新しい技術によって、将来は素晴らしいアーティストになる可能性だってある。決めつけは、その可能性の芽を摘んでしまうことになると思うんだ。
**ケン:** でもさ、可能性を追求するのもいいけど、現実的に考えて、向いてないことや苦手なことってあるじゃないか。例えば、料理が苦手で、何度練習しても美味しく作れない人が、「将来は有名レストランのシェフになる!」って言うのは、ちょっと無謀だと思うんだ。もちろん、努力は大切だけど、自分の適性や才能を見極めることも同じくらい重要じゃないかな。過去の経験は、それを判断するための良い材料になるはずだ。
**ユイ:** 確かに適性を見極めることは大切だけど、それは「決めつけ」とは違うと思うな。例えば、「料理が苦手」な人が、別の料理ジャンルに挑戦したら、意外と才能が開花するかもしれない。過去の経験は、あくまで「過去」のもの。それを固定観念にしてしまうのは、自分の成長の機会を逃してしまうようなものじゃないかな。
**ケン:** そうかな…私は、過去の経験から得られる知見や教訓を重視したいんだよね。例えば、何度も同じような失敗をしてしまう人は、その原因を分析して、同じ過ちを繰り返さないようにするべきだと思う。過去の失敗経験は、未来の選択を賢くするための警鐘になる。そういった意味では、過去の経験を無視するのは危険だと思う。
**ユイ:** 過去の経験を活かすことと、決めつけることは違うと思うよ。過去の失敗から学ぶことは大切だけど、それを「私は絶対にできない」という決めつけに繋げてしまうのは、勿体ないと思うんだ。人は変わるし、環境も変わる。常に「できるかもしれない」という可能性を信じて、チャレンジしていくことが、より豊かな人生につながるんじゃないかな。
**ケン:** うーん、ユイの言ってることも理解できるよ。確かに、決めつけは可能性を狭めてしまうかもしれない。でも、私はやっぱり、過去の経験をベースに、現実的な判断をすることも大切だと思うな。
**ユイ:** うん、お互いの意見は違うけど、両方とも大切な視点だよね。過去の経験を参考にしながらも、可能性を信じて柔軟に考える、バランスが重要なのかもしれないね。
**ケン:** そうだね。今日の議論で、お互いの考え方を理解できた気がするよ。
このように、具体的な譬えを交えながら、共感派と疑問派それぞれの立場からの意見を述べ合うことで、より深く議論をすることができました。